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愛犬が人を咬んでしまったら

まず、咬まれた方の手当てをしましょう。水とせっけんで傷口をじゅうぶんに洗いながし、消毒します。傷口がひどい場合は、医療機関へ行ってもらいます。飼い主さんは保健所へ犬の事故届けをし、指導等をうけます。愛犬が狂犬病予防ワクチン接種をしているかどうかがとても重要になってきます。未接種の場合、咬んだ犬の狂犬病鑑定をうけることになります。
賠償責任については、飼い主が愛犬の性質などを理解したうえで、危険のない飼育管理が徹底されていない限り、治療に要した費用等全てを負担することになるようです。
飼っている犬がケガをさせてしまったという事実は消しようがありません。痛い思いをさせてしまった、不安な気持ちにさせてしまった、治癒するまでの期間の不自由さをまず第一に考えて、真摯な態度で責任をもって最後まで応対しましょう。

犬や動物に咬まれてしまったら

万が一、海外ではもちろん日本国内でもイヌや動物に咬まれたら、まず水とせっけんで傷口をじゅうぶん洗い流し、消毒します。その後、傷の深さにかかわらず念のため医療機関で治療をうけましょう。破傷風などの感染症の危険性があります。飼い主がわかっている場合は、飼い主さんに連絡、そして保健所へ連絡します。 咬んだ犬が狂犬病予防注射をうけているかどうか確認しましょう。

狂犬病については日本国内で感染するということはまず大丈夫とされていますが、この狂犬病は潜伏期間がながいため、海外で咬まれてすぐは大丈夫でも日本に帰国してから発症し気づいたころには手遅れになってしまいます。かんだ犬が狂犬病ウイルスをもっていると、人も感染します。海外で動物に咬まれた場合は、発症前であれば狂犬病ワクチンが有効とされていますので、咬まれた後でもワクチン接種をうけましょう。

国内で咬まれた場合でも、咬んだ犬が狂犬病ワクチン接種をしているかどうかわからないときは、ワクチン接種をすることがのぞましいでしょう。ペットとして飼われているのではなく、放れた野犬である場合、保健所だけでなく警察にも連絡し、捕獲することになります。

      

狂犬病とは

狂犬病は、狂犬病ウイルスを保有するイヌ、ネコおよびコウモリを含む野生動物に咬まれたり、引っ掻かれたりして発症する人畜共通感染症です。狂犬病ウイルスを保有するコウモリがいる洞窟内では、空気感染する場合があるとの報告もあります。字だけを見ると、イヌだけのもののように思いますが、そうではありません。狂犬病ウイルスは、人間を含むすべての哺乳動物に感染します。

ヒトが狂犬病ウイルスに感染すると、咬まれたりした傷の部位によって差がありますが、一般的に1〜2ヶ月の潜伏期間を経て発症します。咬傷から侵入した狂犬病ウイルスは神経系を介して脳神経組織に到達し発症するので、脳に近ければ近いほど早く発症します。

狂犬病の症状は、発熱、頭痛、倦怠感、筋痛、疲労感、食欲不振、悪心嘔吐、咽頭痛、空咳等の風邪のような症状ではじまり、咬み傷部位の疼痛やその周辺の知覚異常、筋肉の痙攣などが起こります。そして異常興奮、不安、錯乱、幻覚、攻撃性など神経症状が現れ、恐水発作等の筋痙攣(水を飲むと喉や全身が痙攣がおきるため、水を恐れて凶暴になる)などを起こし、最終的には昏睡状態に陥り、呼吸障害で死亡します。

恐ろしいのは、発症するとほぼ100%死亡してしまう…特異的治療法がないというところです。この狂犬病から人はもちろん愛犬を守るために、日本では狂犬病予防法という法律に基づき、生後3ヶ月以上の犬は年に1度予防注射を打つことが義務付けられています

海外・日本での狂犬病発生状況

海外では依然として、狂犬病の発生は続いています。
おとなりの中国でも狂犬病の発症件数が急増しており、かなり多くの人が狂犬病で死亡しています。それにより中国では狂犬病による人の被害を防ぐためとして、あらゆる犬が撲殺されるというニュースがたくさんあります。

'08.10中国雲南省では、狂犬病が相次ぎ犬1万匹が撲殺。'09.05黒龍江省では「殺犬令」が公布され、市内を犬禁止区域と指定し、犬は見つけ次第撲殺するという内容で、あらゆる犬が殺されました。'09.06北京で狂犬病対策として犬3万6000頭が処分されました。

日本では1957年以降、日本での発症例はありませんでしたが、2006年旅行先のフィリピンで野犬に咬まれた男性が、日本に帰宅後狂犬病を発症し死亡。2020年にもフィリピンでや野犬に咬まれた男性が帰国後発症し死亡しています。狂犬病は、いまでも海外では発生し続けているということ、海外からもちこまれる危険性を認識せざるを得ません。狂犬病は、通常、ヒトからヒトへ感染することはなく、感染した患者から感染が拡大することはないようです。

海外へ旅行される方、とくに狂犬病の発生がないとされる指定地域以外へ行かれる方は特に気をつけてください。指定地域について/動物検疫所

海外では、日本と同じ感覚で犬やネコなどをはじめとする動物を見つけた際に、かわいさから撫でてあげたいとむやみに近づいたり、触らないようにしなければいけません。忘れていけないのは、狂犬病はイヌだけに発症する病気ではないということです。
咬まれなくても手に傷があったりした場合、舐められただけで感染する可能性があります。旅行前に、行き先でかかる恐れのある伝染病に対しての予防ワクチン接種をしていくと安心です。

また日本のペットブームによりさまざまな種のペットの輸入は増加しており、農林水産省では狂犬病の侵入防止に万全を期すため、イヌだけでなく、ネコ、きつね、あらいぐま、スカンク等を含む動物の輸入検疫は見直され、厳しくなっています。

同様に海外へ長期滞在などで、ペットを一緒に連れて行く場合、また連れて帰ってくる際には、手続きや検査など厳しく行われますので、事前に確認しておくことをおすすめします。

参考サイト
農林水産省動物検疫所ホームページ
ペットの輸出入について
狂犬病/厚生労働省

狂犬病ワクチンの必要性

狂犬病は発症すると高い確率で死亡する恐ろしい伝染病で、人間にも伝染する人畜共通伝染病の代表的なもののひとつです。この狂犬病から人はもちろん犬を守るために、日本では狂犬病予防法という法律に基づき、生後3ヶ月以上の犬は年に1度予防注射を打つことが義務付けられています。

しかし、なぜか狂犬病予防ワクチンの接種率は高くないのが現実です。しかし、海外では依然として狂犬病は発生し続けていること、日常においては、たくさんの犬や人の出入りがあるドッグランやドッグカフェなどの施設の利用の際、狂犬病ワクチン接種が義務付けられていることが多いですし、万一、愛犬が人や動物を咬んでしまったときにワクチン接種していないとトラブルが拡大することにつながりますから、愛犬への狂犬病ワクチンは必要です。

参考サイト
狂犬病予防法の解説/動物検疫所

狂犬病予防ワクチン接種時期と料金のめやす

畜犬登録後は市区町村より予防注射の案内の通知がきます。狂犬病予防ワクチンは、毎年4〜5月ごろ各自治体で行われる集合会場や、動物病院では年中受けることができます。接種時期は、基本的には生後3ヶ月をすぎたら1回接種します。しかしこの時期は混合ワクチンを優先するので、実際には混合ワクチン接種後、生後4〜5ヶ月ごろに接種することが多いようです。その後、年1回4〜5月に追加接種します。

ワクチン接種にかかる料金には動物病院によって異なりますが、初回は畜犬登録を含めると、6.000〜7.000円前後ぐらいです。

畜犬登録は一頭につき1度登録すると、その愛犬は生涯有効なので2回目以降は必要ありませんから、1頭につき1生涯3.000〜4.000円前後くらいです。ちなみに我が家の愛犬がお世話になっている動物病院では以下の料金です。

畜犬登録料(初回のみ) 3.000円(2003年当時)
狂犬病予防ワクチン接種料 3.400円(2021年)
狂犬病予防注射済票の交付手数料 550円

愛犬のワクチン接種後、気をつけること

ワクチンを接種したその日は、普段以上のはげしい運動や長時間の散歩などをさけてなるべく興奮させぬように心がけるようにします。ときに少し元気がなくなったり、寝ていることが多かったり、食欲が減退することがありますが、この程度であれば安静にして様子をみます。
しかし、ぐったりとしたり嘔吐や下痢がくりかえし続いたり、口唇や目のまわりが腫れたり、強いかゆみなどの強い異常症状がみられたときは、すぐに動物病院へ連れて行ってください。

はじめてのワクチン接種後は、病気に対する抵抗力がすぐにつかず1〜2週間かかるので、そのあいだは知らない人や他の犬猫との接触をさけるようにします。また、戸外のお散歩やシャンプーも避けてください。

ワクチンの接種前後は、食事面でのサポートもできるとよいです。
ワクチンは体内に病原体を入れて抗体をつくるというもの。病原体を体内にいれるわけですから、体のなかでもとくに肝臓への影響があります。なぜ肝臓に負担がかかるかというと、肝臓は体の解毒器官だからです。
ワクチンや薬は体内で「異物」と捉えるため、これらを無毒なものに替え、体外に排出しようと働きます。排気ガスやタバコの副流煙などの有害物質や、フードにふくまれる添加物、体にたまった老廃物もこの肝臓で解毒、拝毒しなくてはいけません。

もちろん肝臓は解毒だけでなく、タンパク質の合成、ブドウ糖や脂質の代謝など他にまだまだたくさんの仕事があるため、ワクチン接種やフィラリアの投薬がはじまる春の季節はいちばん肝臓に負担がかかります。この肝臓の処理能力にも限界があります。負担がかかりすぎてダメージをうけると、体に不要なものが体内に残ったままの状態がつづき、また腎臓や心臓といった他の臓器にも負担がかかり病気のもととなります。

ただでさえ春から夏の季節は気温も上昇し新陳代謝がよくなってきますから、水分摂取量がすくなくなる秋冬でためこんでしまった老廃物や有害物質などの解毒でいそがしい時期になります。そこにワクチン摂取やフィラリアの薬などの投与がかさなってきます。ですからワクチン接種後はもちろん、できれば摂取前から肝臓をサポートする食事、解毒をスムーズにするための水分摂取が大切です。

フードは不必要な添加物が使われていない犬の食性を考慮したものを選びたいです。肝臓をサポートするハーブなどを取り入れるときは、ワクチン接種の場合は接種前後3〜4週間、 フィラリア予防薬の場合は投薬前後1週間ほど与えてあげるとよいと思います。