我が家の那智の肉球の写真です
  

愛犬の「いつもと違う」症状でしらべる病気のサイン

犬は、人間のように「痛い」「気持ちが悪い」などの自覚症状を言葉にして伝える事ができません。犬をはじめ動物は、本当は体調が悪くても本能的に隠そうとするのだそうです。そのため明らかな異常に気づいたときには深刻な状態になっていることも。そんなことにならないように、また早く気づいてあげるために、愛犬を迎え入れたときから、食事量、飲水量、おしっこの色や量、うんちの状態、歩き方、活動量など、健康時のふだんの愛犬をよく知っておくと、いつもと様子がちがうと感じたり、早く異常を発見することができます。

いつもと違う、と感じることが本当に大切で、気になることがあったら自己判断で様子をみないで、まずは動物病院へ相談してください。異常がなかったらなかったで安心できるのですから。見た目に健康であっても血液検査をしてみたら、数値が正常範囲外になっていた、ということもありますから、定期的な血液検査も大切です。

また、幼犬のころから、体のどこをさわられても嫌がらないように慣らしておくと、日常の愛犬のお手入れ時や動物病院での検査や治療に役にたちます。とくにマズル(鼻先から口周辺)は犬にとって敏感な部分なので嫌がることが多いです。でも口の周りや口の中に手をいれても噛まずにいられるようになると、犬もストレスなく歯みがきや口の中の診察ができます。

また、足先や足裏も嫌がる場合が多いのですが、つめきりがしやすくなったり、散歩後の足裏のお手入れ時や、また足裏は散歩等でのケガの早期発見につながります。このようにどこをさわられても嫌がらないように慣らしておくと、犬が体のおなじところをさわるといつも怒ったり、咬みつこうとしたりする場合、その部分がケガや病気で痛いのかもしれない、と判断がしやすくなります。

嫌がる部分はいきなりさわるのではなく遊びの延長でさわったり、ごほうびをあげたりして、触らせてくれたら褒められる、いいことがあると認識させるようにして、慣れるまではすこしずつで良いので、日頃からスキンシップをとりましょう。

愛犬のいつもとちがう症状はありませんか。

犬の食欲がない、急に食欲が増えた、急に食べなくなった

食欲の有無は、犬の健康状態のバロメーターです。食欲旺盛だったのに急に食べなくなったりした場合、寄生虫や内臓疾患などの疑いがあります。その他には、口内炎や歯周病などの口腔内の疾患などによることもあります。

愛犬の好き嫌いや、運動量や年齢、季節、あたえる環境の変化などによっても左右されていることもとても多い。毎日あたえているフードの保存状態がわるくて酸化してしまっている可能性もあります。

逆に食欲がありすぎるのにも注意が必要です。中年以降の犬は、糖尿病や副腎の病気で食欲が異常におこることがあります。あきらかに標準給与量以上のフードを与えているのにいつもおなかをすかせている、体重が増えない場合、少食だったのに急に食欲が増し、飲む水の量も増えて尿の回数も増えたなどの場合、糖尿病や慢性腎機能障害、クッシング症候群などホルモンの病気の疑いがあります。手作り食をあたえている場合は、タンパク質量などがすくない可能性もあります。

食欲がない状態がつづく場合は、早めに動物病院へ相談しましょう。とくに老犬の食欲がない場合は様子をみないで、すぐに動物病院へ。

【関連ページ】 犬の食欲がないとき

犬があまり水を飲まない、水をガブ飲みする、など

犬が水をあまり飲まないと感じたら要注意です。冬の季節はとくに、寒くなってくると散歩の回数が減ったりして運動量が減りがちになり、あまりノドが渇かず水を飲まなくなることで、おしっこの回数もへります。これにより代謝が悪くなったり、泌尿器系の疾患の原因になります。

犬のおしっこの色を毎日チェックしましょう。濃い黄色であれば注意です!また犬の首のうしろの皮膚を軽くひっぱり、すぐにもとにもどらない場合も水分不足の証拠です。最近多い皮膚疾患や目ヤニ、涙やけ、耳垢、体臭、足先の毛の変色などのトラブルなども、水分不足による老廃物の排泄不良が原因のことが多いようです。

手づくりごはんに変えたり、ドライフードをふやかして与えるようにしたら、水をあまり飲まなくなった場合、これはドライフードにくらべると水分量が多いためですので自然なことです。大丈夫です。

水を多量に飲む、尿の量も多い場合は糖尿病や慢性腎機能障害、クッシング症候群などホルモンの病気の疑いがあり、下痢や嘔吐をともなう場合は、感染症の疑いがあります、早めに動物病院へ相談しましょう。

【関連ページ】 犬の水分不足、水分摂取量をふやす工夫

犬の体重のはかりかた、肥満度チェック、食べていてもやせてくる、体重減少、など

愛犬の体重管理はとても大切です。定期的に愛犬の体重をはかりましょう。
肥満は人間どうよう、糖尿病などのいろいろな病気の引き金になりますし、ヘルニアなどの骨格系のトラブルにつながる可能性もあります。

急な体重減少は、慢性腎機能障害や肝疾患、糖尿病など全年齢において深刻な疾患の症状である可能性があります。子犬や老犬の場合、様子見をしていると命にかかわりますのですぐに動物病院へ相談しましょう。

犬の体重をはかるには、まずあらかじめ、飼い主さんの体重をチェックしておきます。そして、愛犬と飼い主さんが一緒に体重をはかります。その体重から、飼い主さんの体重をさしひけば愛犬の体重がわかります。また、いくら純血種とはいえ個体差がありますので犬種別の標準体重で太っている、やせているなどと判断しないようにしましょう。

愛犬の背中をなでてみて背骨やろっ骨をさわることができるかどうか?また、愛犬を真上からみてウエストのくびれがあるかどうかで、肥満度がわかります。脂肪がたっぷりで背骨やろっ骨を感じることができず上からみたときにくびれがない場合、太りすぎ。背骨やろっ骨がゴツゴツしていて目で確認でき、上からみたときにくびれが深い場合、やせすぎです。

同じ犬種でも体型はさまざま。犬種別の標準体重だけで判断しないで、飼い主さんがさわったり、獣医師さんにさわってもらったりして判断しましょう。あくまでも愛犬の様子と骨格、脂肪のつきかたで判断することが大切です。およそ1歳まではまだ成長しています。もしダイエットをはじめるなら、骨格が大体きまる1歳をすぎてから獣医師さんに相談しましょう。

犬の便・よいうんち、下痢、便秘

愛犬の食事の内容などにより個体差がありますが、よいうんちの目安は、適度な水分をふくんでおり、コロンといくつかにまとまっています。ティッシュでつまんでもくずれない、バナナくらいの硬さで地面やシーツが汚れないか、跡がすこしつくくらいです。黒っぽいか、濃い黄土色できついにおいではないです。

愛犬の腸内細菌のバランスがわるいと、くさくて黒いうんちになります。うんちの異常の30%は要注意といわれています。古い食品や腐敗した食べ物を食べたり、食べすぎたりはしていないか?散歩中にひろい食いをした可能性はないか?など、思い当たることがないかまずは考えてみましょう。

下痢をしているときでも元気がある場合はさほど心配する必要はありませんが、消化器を休めるために絶食療法が有効とされています。犬が比較的元気であれば、24時間絶食。その後、消化のよいものをすこしずつ、何回かにわけてあたえていきます。絶食中、お水を飲みたがったら氷をあたえます。

嘔吐をともなう場合、元気がない場合や食欲がおちている場合、下痢がつづきやせてくる場合は要注意。すぐに動物病院へ。下痢の原因には小腸にある場合と大腸にある場合の2つに大きくわけられます。それぞれ治療がちがうので、下痢をしているときは体重の変化がないかチェックしましょう。小腸は栄養を吸収する場所ですから、ここに異常があると栄養が吸収できないため、体重の減少がみられます。大腸が原因で下痢がおこっても、体重の減少はみられません。

そのほか寄生虫や細菌感染、伝染病、中毒などによっても下痢したり血便がでたり、粘液便や黒く粘りのあるタール便になることがあります。フードを変えたり、環境やストレスなどによってもゆるくなったりします。気になるうんちは、動物病院へもっていき検査してもらいましょう。

犬の便秘は、あたえるフードの量がすくないときや、水分不足、カルシウム過多のフードを与えている、前立腺肥大により排泄しにくい場合があります。また腸や肛門に腫瘍ができるなど物理的な障害で便がでない、でにくくなることがあります

犬の尿・おしっこの色がおかしい、くさい、尿量が多い・すくない、など

愛犬の尿の色がいつもとちがったりしていませんか?排尿に時間がかかったり、痛がったり、尿の量がすくなかったり尿がでないとか、ニオイがきつかったりしませんか?健康な犬の尿は淡い黄色ですが、飲む水の量とも関係してきます。水をたくさん飲めば尿の色はうすくなりますし、水を飲む量がすくなければ尿の色は濃くなります。まず第一に、犬が健康なときの尿の色やニオイ、量や回数を知っておくことが大切です。

尿の色が黄色が濃いのは、水分不足が考えられます。飲水量の不足は脱水や、代謝不良、膀胱炎など泌尿器系の病気の原因になります。愛犬がいつも新鮮なお水を飲めるような環境づくりをしてあげましょう。とくに飲水量が減る冬の季節は、この泌尿器系のトラブルがおきやすくなります。

尿の色がピンク色や赤い場合、尿に血がまじっている可能性があり泌尿器系の異常が考えられます。この場合、尿に血がまじるのが最初からなのか、最後のほうかを観察してみわけることができると、病気の判別がしやすくなり動物病院での診察に役に立ちます。

尿のニオイがきつかったり色がにごっている場合、尿路の炎症がおきており膀胱炎の可能性がたかいです。尿をガマンしないといけないような環境にいる子、脊髄の病気やマヒなどにより自力で排尿できないような子など、排尿の回数が不足していたり、尿がうまく排泄しきれないと、感染症がおこることがあります。

尿がキラキラ光る場合、膀胱炎の可能性があり結晶がまじっていることがあります。放置していると尿路結石になったり、尿道閉鎖(尿がでなくなる)に進行することも。
尿の量も多く、水もたくさん飲む場合は糖尿病や慢性腎機能障害、クッシング症候群などホルモンの病気の疑いがあります。

極端に尿量がすくないとか尿がでない場合、膀胱炎や前立腺の病気、尿路結石、腎不全などの病気が考えられます。尿がでない場合、緊急の処置が必要ですから、すぐに動物病院へ。

気になる尿は、なるべく新しい尿を清潔な容器などにいれて動物病院へもっていき検査をうけましょう。室内飼いの場合は、ペットシーツをうらがえしにしてセットしておくと尿がたまるのでカンタンに採取できます。スポイドやシリンジがあると便利ですよ。結晶などは沈殿するので底のほうから吸いとりましょう。

犬の元気がない、ぐったりしている、倒れた、など

犬は、体調がわるくても飼い主の前では本能的にそれを隠そうとするものです。急に元気がなくなったり、眼にちからがなくトロンとしていたり、動きたがらなかったり、無関心だったり、ずっとだるそうにしているなど、目で見てあきらかに元気がない場合、なんらかの異常がおきている可能性が高いのですぐに動物病院へ。

下痢やおう吐をともなっていたり、食欲がなくぐったりしている場合もすぐに動物病院へ。

犬が遊んでいて急にバタンとたおれたり、急にぐったりして元気がなくなった場合、低血糖症の疑いがあります。

高齢になれば次第に活動力は低下していきますが、高齢犬だから動きたがらないのだと決めつけないようにしましょう。いつもの様子とちがう場合、どこかに異常があるのではないかと疑ってみることも大切です。

大好きな人がいない、飼い主が変わったなどの大きな環境の変化によるストレスなどで元気がなくなることもあります。

犬の耳があかい、腫れている、かゆがる、強く頭をふる、など

耳がかゆい、不快なとき犬は足でひっかいたり、頭をつよくふったり、床にこすりつけたりします。異物がはいっているかもしれないので、耳の中をチェックしましょう。耳のたれさがっている犬種や耳の中に毛が多く生えている犬種は外耳炎になりやすく、外耳炎にかかるとかゆみや痛みをともなうため、犬は頭をふったりかいたりします。遺伝的な体質が原因になっていることもあり、その場合はくりかえし発症しやすい傾向にあります。

外耳炎は、細菌や真菌(カビ)、アレルギー、耳ダニなどの原因によりなり、赤くなったりかゆみをともないます。中耳炎や内耳炎にかかると、膿がでて悪臭がします。内耳がおかされると、運動障害やしゃけいなどの症状がでます。最終的に死亡することもあるので放置しないようにしましょう。

耳の中がくさい、耳そうじをしてあげてもすぐに汚れてくる場合、なんらかの菌に感染している可能性があります。

急に耳の中が厚くなり、穴がみえなくなるくらいまで腫れてくる場合、ノミや食物アレルギー、アトピーが疑われます。

耳の異常はとても不快なので、頭をつよくふったり、耳をひっかいてしまったりして、耳介の血管がきれてその血液成分がたまり、耳介が腫れあがってしまったりすることもあります。また、犬の耳の中の皮膚はひじょうに薄いので、耳のお手入れ時に強くこすりすぎてかえって赤く炎症をおこさせてしまうことも少なくありません。耳のお手入れは、犬用の耳洗浄液などを耳にたらし、耳の根元をかるくもみこむようにします。その後、犬が頭をふることで汚れや水分が外にでてきたところをかるくふきとるようにします。

黒い耳アカや膿は、中耳・外耳炎の悪化、耳疥癬などの疑いが。茶褐色の耳アカは、耳ダニ・マラセチア外耳炎などの疑いがあります。

犬の眼があかい、かゆがる、角膜が白く見える、涙がでる、など

もっとも多い目の病気としてあげられるのが結膜炎で、アレルギー性、細菌性、乾性のものがあります。アレルギー性結膜炎の原因は花粉や室内のほこり、ダニなどが原因でおこり、充血とかゆみをともないます。細菌性結膜炎は細菌の感染によっておこり、充血と膿状の目ヤニがたくさんでるのが特徴。涙の分泌量が病的にすくなく、目がかわくことにより角膜が炎症し、目ヤニが多くなりひどくなると目ヤニが目全体をおおうようになることも(乾性角結膜炎)。

いつも涙がでている場合、さかまつげや涙管閉塞のことが多いようです。涙やけがおこりやすくなります。我が家の愛犬チョコも涙管閉塞傾向があると診断されました。かゆみはないようです。冬などの寒い時期はとくに、涙がいつも口や鼻のさきのほうまで流れてきて拭いてもまたあふれてきます。目元から鼻筋をとおり鼻先にむかってマッサージしてあげるといいみたいです。これが夏などの暑い時期は、あまり涙がでなくなります。夏は代謝もよくなるからでしょうか。

角膜が白くみえる場合、白内障を疑います。原因としては、老化によるものがほとんどですが、そのほか糖尿病やホルモン異常、外傷や中毒などによることも。白内障は薬で治すことはできません。進行を遅らせる点眼液を使用します。よく物にぶつかったりすることはありませんか。

犬の眼が赤いのは危険信号です。「赤目」「レッドアイ」とよばれています。犬の眼が赤くなる病気は結膜炎やぶどう膜炎、急性虹彩炎などがありますが、一番こわいのが緑内障です。

緑内障は、眼の色が緑色から赤色にみえたり、目が痛いために目をつぶることが多くなります。眼全体がふくらんできたり、角膜の表面が雲がかかったようにもやもやして見えます。早期に治療しないと、急性の場合2~3日で視力を失います。目の輝きがなく、くもってみえる場合、視力をうしなっている可能性があります。

犬は嗅覚がすぐれているので、人間ほど視力に頼っていません。たとえ失明していても、慣れている場所ではぶつかったり不自然な動作をすることも少なかったりして、飼い主さんが犬の失明にしばらく気づかないこともあるようです。このほか、まぶたの病気やと目の鼻がわにある角膜をおおう瞬膜の病気などがあります。

犬の鼻がかわいている、鼻水がでる、鼻血がでる、いびきをかく、など

犬は起きているときは鼻が湿っていて、眠っているときや起きたすぐあとでは鼻が乾いています。

犬の鼻炎には、細菌やウイルスの感染、花粉やほこりなどのアレルギー、粘膜への刺激など原因となるものが多く、粘膜への刺激物としてタバコの副流煙なども指摘されています。鼻水・くしゃみからはじまり、進行すると膿のような鼻汁がでたり、鼻の粘膜がただれてきたりします。副鼻腔炎を発症して鼻ずまりがひどくなり呼吸困難になることもあるため、放置しないで動物病院で治療をうけるようにしてください。

鼻血がでる原因としては、外傷や腫瘍、感染症、中毒によるものなどがあります。早めに動物病院へ連れて行きましょう。

犬のいびきについては、シーズーやパグといった短頭種の犬はよくいびきをかき異常ではありませんが、短頭種以外の犬がいびきをかくことは異常とされています。喉頭の異常、気管虚脱や副鼻腔炎の疑いがあります。

犬の口・歯がくさい、よだれが多い、歯がおれた、など

犬の口がくさいとき、原因の多くは歯石や歯周病にあります。口内炎になると、口臭、口の痛み、食欲不振、よだれなどの症状がでます。内蔵疾患や、鼻の病気、寄生虫でも口臭がでます。

よだれは乗り物酔いや中毒、狂犬病、熱中症、てんかんなどのほか、口のなかをケガしていたり体のどこかが痛い場合もあります。

犬の歯肉や舌の色は濃いピンク色かすこし赤みがかっているのが正常です。黄色い場合、内臓疾患の疑いが。白っぽい場合、貧血、体が冷えている、もしくは体温が低下している危険信号です。

犬の歯がかけたり、折れたり、抜けたあと、ほうっておくと、そこから細菌が侵入し、体全体へまわり臓器の機能障害をおこすこともあります。

生後10ヶ月くらいまでに永久歯に生え変わりますが、まれに乳歯(とくに犬歯が多い)が残ったまま2重に生えたりして、永久歯が正常に生えなくなる場合があります。口臭の原因にもなります。しばらく様子をみて抜けないようなら、抜歯の必要があります。

人間とおなじで、犬も歯はいのち!犬のはみがきは必須。食べることは犬にとって大好きな欲求であり、生きるために必要です。

犬ののどにしこりがある、せきがでる、など

のどにしこりがありませんか?せきをよくしていませんか?のどにさわるとすぐにせきがでたりしませんか?呼吸が速くありませんか?せきがでたり、ハアハアしたり呼吸があらくなる原因には、気管支炎や肺炎など気管の病気や心不全など心疾患、ケンネルコフ、フィラリア症などいろいろ考えられます。

運動後にせきこんだり夜中のせきがある場合、心臓病の可能性がたかく、散歩などの運動は禁物で、とにかくハアハアさせないよう安静にたもつ必要があります。心臓病が原因のせきは、とくに寒い冬の時期にでやすく「ゲエゲエ」と苦しそうにせきをする特徴があります。室内の空調など1日をとおして室温変化がなく一定にたもつ必要があります。わが家の那智さんも心肥大ですぐハアハア息があがるので、1年中ほぼエアコンはフル稼働です。

のどにしこりや腫瘍ができた場合、食べ物を飲み込めなくなったりして吐き戻したり、呼吸困難になったりします。呼吸が速い場合、気管虚脱や気管支炎などの疑いがあり、ひどくなると呼吸困難になることもあります。

夏の暑い季節など、呼吸があらくぐったりしてよだれがでるような場合、熱中症の疑いがあります。

のどから音がするような場合、喉頭炎や軟口蓋異常などの疑いがあります。

犬の歩きかたがおかしい、散歩に行きたがらない、フラフラする、など

歩くのがつらそうではないですか?いつもと歩き方が違うことはないですか?大好きなはずなのに、散歩にいきたがらないことはありませんか?今まで元気に動き回っていたのに歩くのを嫌がるようになったら、関節の疾患の疑いがあります。高齢犬や太り気味の犬、胴長の犬は骨・関節トラブルがおこりやすいので注意が必要です。犬がふつうに歩けずに、足をうかせていたり、ひきずっていたりする場合、どこかが痛いからです。

また冬など、寒さで体がこわばっているまま急に動きはじめることが原因で関節痛をうったえることも多いようです。 暖房器具をうまく利用してお部屋をあたためてから動き出すようにしたり、日中と夜間の気温差にも注意してあげましょう。

つめが伸びすぎていたり足裏にトゲがささっていたりと軽いケガのこともありますが、事故や骨折、捻挫、脱臼などの疑いがあります。1歳未満の小型犬の場合、膝蓋骨脱臼の可能性が高くなります。また、足の付根や肩・股関節などの筋肉や骨に異常がおきているのかもしれません。フラフラ・ヨタヨタしているときには、さらに神経麻痺の可能性もあります。変形性脊椎症、椎間板ヘルニア、脳の病気による場合があります。

1歳未満の大型犬の場合、股関節形成不全の可能性が高くなり、高齢の大型犬の場合、変形性関節炎がつよく疑われます。

犬のおなかにしこりがある、ふくれてきた、触るのをいやがる、など

犬のおなか(腹)が上の状態のときに、おなかを手ですこし強くおしながら異常がないかチェックしてみましょう。おなか(腹)がふくらんでいませんか?おなかや乳房などにしこりがありませんか?さわると痛がったり、うなったりしませんか?

おなかの一部分や乳房などにしこりがある場合、腫瘍の可能性があります。高齢になると乳腺に腫瘍ができやすいので、1ヶ月に1度乳がんのチェックが大切です。腫瘍は命にかかわる場合もありますので、普段から愛犬とスキンシップをとってできものやしこりなど手にさわるものがないかチェックしてあげましょう。腫瘍は、良性でも後に大きくなってきたりがん化する可能性もあるため、手術できる体力があるうちに摘出するのか獣医師さんとよく検討します

わが家のチョコさんも乳腺腫瘍がいくつもでき、細胞診もして良性のものでしたが徐々に大きくなってきていました。そんなとき子宮蓄膿症になってしまい、手術で一緒に摘出しました。

おなかがふくれてくる場合、メス犬なら妊娠の可能性や子宮蓄膿症、犬フィラリア症などにより腹水がたまっている可能性もあります。おなか(腹)をさわったりさわろうとするとうなったりして嫌がる場合、痛みがあるか何らかの異常がおきている可能性が高いです。

犬の皮膚があかい、かゆがる、フケがでる、脱毛する、など

かゆがっていたり、フケが多くでたりしてませんか?一部分だけ脱毛したりしていませんか?皮膚が赤くなったり、ただれたりしていませんか?犬がかゆがる動作は、なめる、かむ、すう、引っかくです。そしてかゆがる原因にはいろいろ考えられるため、まず愛犬の生活環境を見直してみましょう。

かゆがる原因はいろいろ考えられ、アレルギーや寄生虫感染、ダニやノミによるもの、ストレス、食事をかえた場合や食物アレルギーなどがあります
激しいかゆみをともなう疥癬(かいせん)は、人にもうつります。一般的に、犬の体の前の部分をかゆがるのであればアレルギー、後ろの部分をかゆがるのであれば寄生虫感染やノミアレルギーなどが考えられます。

また、皮膚のシワになりやすい部分やわきのしたなどジメジメしやすい部分は細菌やカビ、真菌などに感染しやすくなります。感染することでかゆみがでます。

脱毛がおこるということは衛生状態・栄養状態がよくない可能性があります。かゆくてかきむしったり、皮膚炎により毛自体が弱くなったり切れたりすることもあります。円形やだ円状に抜ける場合、細菌や真菌による脱毛の可能性があります。体の左右対称に脱毛がみられる場合、ホルモンバランス異常による疑いがあります。そのほかにノミアレルギー、接触性アレルギーなどもあります。

皮膚病の原因の特定はとても複雑でむずかしいので、いつからかゆがりはじめたのか、どの季節にかゆがるか、どの程度かゆがるか、どこが一番かゆがるのかなど、よく観察して原因の特定につとめ、治療や診断に役立てましょう。

カユカユは愛犬にとってとてもストレスになります。日常のストレスがたまっていたりヒマをもてあます時間が長いと、かゆみなどがある部分についつい意識がいきすぎで舐め続けたりして悪化させてしまうこともあります。日常のストレスが原因で脱毛したり、毛をむしったり、ペロペロカミカミし続けることもあります。 愛犬の散歩はきちんとつれていく、回数をふやしたり、一緒に遊ぶ時間をつくったりして日常のストレスを改善してあげることも治療に役立ちます。

犬のおしり・肛門があかい、床にズリズリする、くさい、など

犬の肛門には肛門膿(こうもんのう)というくさい分泌物がたまる袋があります。この肛門膿は通常は排泄時に一緒にだされるのですが、たまっていたり詰まることがあります。比較的、小型犬に多いようです。ムズムズしたりして不快なので、犬は前足だけをつかって前進し、床にズリズリこすりつけたりします。お尻をなめたり気にしたりします。それが原因で肛門が赤くはれたりします。寄生虫がいる可能性もあります。肛門膿がたまっている場合は、シャンプー時などにしぼってあげましょう。肛門膿は動物病院でもしぼってもらえます。

肛門のまわりが赤くなったり、腫れている場合、肛門膿炎や肛門周辺の皮膚病の疑いがあります。

うんちをするときに痛がったり、うんちがでにくかったりでない場合、便秘のほか肛門周辺の腫瘍の可能性があります。

おう吐。血がまじっている、黄色い液体を吐く、など

古い食品や腐敗した食べ物を食べたり、食べすぎたりはしていないか?散歩中にひろい食いをした可能性はないか?など、思い当たることがないかまずは考えてみましょう。犬はよく吐くので食欲もあって元気であれば、通常はさほど心配しなくても大丈夫。でも、くりかえし吐く場合や、食欲もなくぐったりして元気がない場合は安静にしてすぐ動物病院へ。

おう吐の原因には、古い食品や腐敗したものを食べた、刺激のあるものを食べた、食べなれないものを食べた、食べすぎなどの食事によるものが一番おおく、そのほか胃腸の障害、食道の障害、感染症の初期、中毒、副腎皮質機能低下症などの代謝性疾患などがあります。

おう吐物に血が混じっていたら、胃のびらんや潰瘍、腫瘍などの疑いがあります。

おう吐物がコーヒー色になっていたら、危険信号。これは血が古くなった色。重篤な潰瘍や腫瘍が疑われます。

黄色い液体を吐く場合、これは胃の内容物がなくなって、胆汁液が逆流したからです。胃液を吐いたように思いますが、胃液は白い泡のような液体です。この予防には、おなかがすきすぎにならないよう食事と食事のあいだの少量の間食やおやつが有効です。

胃の運動機能の障害によるおう吐もあります。大型犬に多いのが胃拡張や胃捻転です。食事のあとすぐに運動すると、胃捻転になりやすく命にかかわりますから、食事はできるだけゆっくり食べさせること、食事のあとすぐに運動させないことが大切です。

おう吐の治療は、絶食と絶水が基本とされています。比較的元気な犬は24時間~1、2日間絶食、24時間絶水させて消化器を休ませます。絶水中、犬が水を飲みたがったら氷のかけらをあたえます。その後、おう吐の回数が減ってきたら消化のよい食事を何回かにわけてすこしずつあたえ様子をみます。絶食・絶水をしてもおう吐がおさまらない場合は動物病院へ。吐いたものをもっていくと、診察・治療に役に立ちます。

犬が食べ物を吐く場合、おう吐に似た症状で吐きだし、嚥下困難というのがあります。それぞれ治療がちがってくるため、どれにあてはまるか識別することが大切です。犬のおう吐の原因は、胃と腸管で何らかの異常がおきることで吐きもどされるため、食べたものがある程度消化されています。それに対し、吐き出しの原因はおもに食道にあり、食べ物が消化器に達する前に食道から吐きもどされるので、消化されていません。そのため、犬がその吐いたものをまた食べようとすることもあります。

嚥下困難の原因は、口腔か咽頭、食道にあり、食べ物を飲み込むことが困難になるため、吐きもどしてしまう症状です。

犬の体温とはかりかた

愛犬の体温を定期的にはかっていると、異常を発見しやすくなります。犬の体温は直腸ではかります。耳の中ではかるタイプのものよりも正確です。使う体温計は、人間用のものでOKです。犬を安定した場所に立たせます。片方の手でしっぽを持ち上げて、もう片方の手で体温計の温感部分が肛門内に隠れるくらいまで3~5センチほど深く入れます。
体温計のない場合は、日頃から犬の毛の少ない耳やおなかなどに手をあてて愛犬の体温を覚えておいて目安にするとよいです。
犬の平熱は37.8~38.5度くらいです。39.5度を超えたり、逆に体温が低い場合はすぐに動物病院へつれていきましょう。犬種にもよりますが、37度以下、40度以上だと危険な状態です。また妊娠している犬は分娩前日に約1.5度体温が低下します。分娩を予知するよい目安になります。

犬の脈拍とはかりかた

犬の後ろ足の太もものつけ根の内側に、ひとさし指、中指をあてて脈をとります。前足のかかとの肉球のすぐ上に指をあてて脈をとることもできます。
犬の脈は1分間に80~120回程度がふつうですが、小型犬や子犬はこれよりも多めです。脈の強弱も日頃からおぼえておくとよいです。

犬の呼吸とはかりかた

犬の呼吸は、1分間で何回息をしているか、犬が横になっているとき犬の胸が上下に動く回数をかぞえます。犬種にもよりますが、小型犬は比較的呼吸の回数が多い傾向があるようです。犬の呼吸数は一般的に、1分間に10~30回