あじさいの写真です
  

身近な植物に危険がいっぱい

犬が草花を食べることありませんか!?犬や猫は体をなめる習性があり、毛や汚物を飲み込み胸やけや胃腸障害をおこします。このため、本能的に草を食べて胃を刺激させて、飲み込んだ毛や毒気を一緒に吐き出して胃の健康を守ろうとします。

犬は本能で食べると危険な植物をかぎわける力があると思っていますが、我が家の愛犬那智はお散歩中、遊び半分に?手当たり次第、通り道の葉っぱや花を口にいれようとするため、気になって調べてみると、おどろくほどたくさんの身近な植物が中毒をおこす危険性があると知りました。

毒性のある植物があること、知らないことほど怖いことはありません。お散歩中、道端の草花は極力食べさせないように飼い主さんが愛犬をコントロールすることが大切。もちろん、草花だけでなく拾い食いなどもさせないように。

   

とくに危険とされる植物

以下の植物はとくに危険とされる植物です。万一、愛犬が口にしたおそれがあるなら、様子をみずに早急に動物病院へ。

ユリ科の植物
少量でも毒性が高く腎臓への重大な影響をもたらす。ユリ科の植物には全草、球根において毒性を含むものが多い。ユリ科は種類が多く、チューリップ、ヒヤシンス、スズラン、アスパラガス、タマネギなどもユリ科。お庭や畑などで遊ばせたり、花壇など堀り堀り大好きな愛犬はとくに要注意。
サゴヤシ
すべてにおいて毒性があり、とくに種子の毒性が高く1〜2つでも危険。おう吐、下痢、発作、肝臓障害
チューリップ
全草にツリピンという心臓毒が。とくに球根の部分の毒性が高い。球根は傷つくとアレルギー物質をつくるため、さわるとかぶれる。胃腸炎、よだれ、食欲不振、けいれん、心臓異常
スイセン
全草にリコリン( lycorine )やシュウ酸カルシウム( calcium oxalate )などの有毒成分が含まれる。とくに球根の部分の毒性が高い。激しい嘔吐、下痢、胃腸炎
レンゲツツジ
全木にグラヤノトキシンなどのケイレン毒を含む。レンゲツツジからとれるハチミツにも毒性がある。ツツジ科全般要注意。嘔吐、下痢、けいれん、呼吸麻痺
シャクナゲ
ツツジ科。シャクナゲは葉にロードトキシンなどのケイレン毒を含む。おう吐、下痢、よだれ、脱力、うつ、昏睡ののち死に至ることも
キョウチクトウ(夾竹桃)
葉は竹に花は桃に似ていることから名付けられた。常緑低木もしくは常緑小高木。すべてにおいて毒性があり、青酸カリよりも強力な猛毒といわれる。とくに心臓への重大な影響をもたらす。消化管の炎症、低体温、死に至ることも
トウゴマの実
戦時中、化学兵器としても利用されたことがあるという猛毒リシンを含む。重度の腹痛、嘔吐、下痢、過度の口渇、脱力感や食欲不振。脱水、筋肉のけいれん、震え、痙攣、昏睡ののち死に至ることも
シクラメン
シクラミンというサポニン配糖体が含まれ有毒。とくに球根・根の部分の毒性が高い。激しいおう吐、胃腸炎。死亡のケースも報告されています
カランコエ
胃腸の炎症、心臓・心拍への重大な影響をもたらす
イチイ
葉・種の部分にタキシン(taxine)という有毒成分を含む。中枢神経に重大な影響をもたらす。震え、失調、呼吸困難、胃腸炎。心不全をおこし死亡のケースも
アマリリス
ヒガンバナ科。全草。リコリンという有毒成分を含む。とくに球根の部分の毒性が高い。おう吐、腹痛、下痢、うつ、食欲不振
イヌサフラン
ユリ科。コルヒチンという有毒成分を含む。とくに球根や種の部分。吐血、おう吐、下痢、ショック症状、多臓器障害、呼吸不全。2008年5月イヌサフランの球根を食べた犬が死亡したケースも報告されています
キク
道端によくはえているノボロギクは全草でセネシオニンという有毒成分、シュウメイギクは全草・汁液でプロトアネモニンという有毒成分を含む。おう吐、下痢、肝臓障害、皮膚炎
イングリッシュアイビー
おう吐、腹痛、下痢
ポトス
汁液にシュウ酸カルシウムなどの有毒成分を含む。口唇の炎症、胃腸障害
シュフレラ(カポック)
過剰なよだれ、口唇の炎症

そのほか気をつけたい植物

庭などによく植えられている植物
アジサイ・アサガオ・オシロイバナ・キキョウ・菊・クレマチス・クロッカス、サクラ・ジンチョウゲ・スイトピー・スズラン・チョウセンアサガオ・ニチニチソウ・ヒアシンス・フジ・マリーゴールド・ラナンキュラス・リンドウなど
アジサイの葉やとくにつぼみには青酸(せいさん)配糖体という物質が含まれていて、過呼吸、興奮、おう吐、めまい、麻痺などの中毒症状を引き起こす可能性があります。
室内に多い観葉植物・ハーブなど
アロエ・ウバ玉(サボテン)クモン・クワズイモ・月桂樹・サフラン・ジャスミン・ディフェンバキア・バジル・ポインセチアなど
道端などによくはえている植物
アスパラガス・アブラナ・アセビ・エノキグサ・サトイモ・セリ・タバコ・トリカブト・ナス科の植物・萩・ヒガンバナ・モロヘイヤ・ヤドリギ・ワラビなど
モロヘイヤの種子にはストロフェチジンという強心配糖体が含まれていて、牛について食欲不振、起立不能、下痢、死亡したケースがあります。

誰もが知る、有名な身近な植物で危険なものがどれだけたくさんあるのかわかったかと思います。これでも一部です。興味のある方は調べてみてください。

参考 ASPCA http://www.aspca.org/pet-care/animal-poison-control/17-poisonous-plants

毒性のたかい部位は一般的に球根や種、つぼみに多いように思います。しかし植物によってそれぞれ違いますし、個体差もあるためどれだけ摂取すると有毒となるかはっきりしないので注意が必要です。また中毒症状も、万が一中毒をおこしてしまったときの対処方法も違います。

植物には別名も多いですし、すべて覚えるのも大変なので、基本的に口にさせないようしたほうが安心かと思います。そして、室内の観葉植物は愛犬の届かないところへ移動、外のガーデニングは犬が口にしやすそうな場所には危険な植物は置かない。そういった、環境づくりと心づかいがいちばんの安全・予防策なのではと思います。

また、そのほかにも草むらや道端の植物にはほかの動物などの糞尿がかかっているかもしれません。ネズミが媒介する感染症もあり、ネズミがいそうな場所でも注意が必要です。ただ不衛生なだけと安易に思わないでください。

また、除草剤などがまかれている可能性もあります。不自然に枯れている場所があったら気をつけましょう。

もし、愛犬が食べてしまった場合、中毒症状がでていなくても動物病院へ。