愛犬の命をまもるために
犬との暮らしの中では、思いもよらぬトラブルや事故が発生します。
いつもすぐに動物病院へつれていける状況だとは限りません。旅先だったとしたら?
近くに動物病院がない、また災害時などの非常時などには思うような治療をうけることができないかもしれません。
突然の愛犬のトラブルにすこしでも対処できるようにしておくことで、愛犬の命を守ることができるかもしれません。よく起こりうるトラブルに対する応急処置の方法を紹介します。
ただし気をつけてほしいのは、あくまでもとりあえず行う応急処置だということです。
うまく処置できたとしても、素人判断はキケンです。必ず動物病院で診てもらうようにしてください。もし応急処置ができないとわかったときは、急いで動物病院へ運びましょう。
24時間診療可能な動物病院は、まだまだ数がすくないのが現実ですが、緊急時には夜間でも対応してくれるところもあります。そういった動物病院を事前にさがしておくことが大切です。
旅先の動物病院も事前にしらべてから出かけると安心です。
犬のケガや事故などの応急処置
まずは落ち着いて動物病院に連絡し、状況を伝えて指示をあおぎましょう。
素人判断は禁物。ここにのせているのはあくまで応急処置です。
できるだけ早く、かならず動物病院で診てもらいましょう。
- 誤飲 犬の誤飲事故はとても多く、飲みこんだものによって処置がちがってきます。万一誤飲してしまったときは、できればすぐに動物病院に連絡して指示を仰ぎましょう。
犬の誤飲と応急処置≫ - 感電 とくに子犬に多い事故で、遊んでいて電気のコードをかじってしまい感電してしまいます。そのときは、あわてずにまずコンセントを抜くかブレーカーを落とします。感電した犬や失禁した尿にさわると飼い主さんも二次感電することがあります。まず口の中をやけどしていないか、意識があるかどうか、呼吸しているかどうか確認します。見た目の異常がなかったとしても後から症状がでてくることもあるので、必ず動物病院で診てもらいましょう。
- 出血 出血がそれほど多くなければ傷口を水で洗い汚れを落とします。出血がひどいときは、病院へ運ぶ前に急いで止血する必要があります。被毛をかきわけて傷口を確認し、清潔なガーゼで圧迫止血します。このとき痛みで愛犬が噛むことがあるので気をつけましょう。出血が止まらない場合、出血している部分よりすこし心臓に近い部分をそのガーゼの上から包帯を巻きます。(強く巻きすぎたり、巻きっぱなしにしないように注意)その後すぐに動物病院へ運びましょう。
- 骨折 歩き方がおかしかったり、立てない、その部分が腫れたり変形している場合、骨折の疑いがあります。まず骨折したとおもわれる部分にはさわらないことが大事です。骨が外から見える状態にあるときは、傷口を消毒し清潔なガーゼで覆い、できれば添え木になるものをあてて病院へ運びます。添え木は木や棒はもちろん定規やダンボール紙などでも代用できますが、状況にもよりますが無理にする必要はありません。運ぶときは、担架代わりに板やダンボール紙などを利用して気をつけて運びましょう。
- やけど とにかく急いで行うことは、やけどの部分を冷やすことです。軽度ならすぐに流水で冷やす、氷水につける、氷と水をビニール袋にいれたものを患部にあてて冷やしながら病院へ運びます。やけどが広範囲にわたるとき、あれば滅菌ガーゼで患部を覆います。繊維がはがれやすい脱脂綿を使うのはよくありません。また、患部をこすらないようにすることと、素人判断で薬品をぬったりしないことです。かえって症状を悪化させる事になる可能性が。かならず動物病院で診てもらいましょう。
- 熱中症 熱中症は人と同じで愛犬にとっても命にかかわる病気です。犬は毛で覆われているので暑さに弱く、人より地面に近いところを歩くのでさらに暑いのです。日中のお散歩は避ける、車に置いていかない、空調を管理してあげるなど熱中症にならないように対応・工夫してあげましょう。 犬の熱中症と応急処置≫
- おぼれた 犬はあまり溺れることはないと思われますが、家庭の浴槽にあやまって落ちてしまい上がれなくなるといったトラブルや、流れの早い河川などでは体力がつづかず溺れてしまうこともあります。まずは可能であれば頭を下に抱き上げて、上下にゆらします。抱き上げられない大型犬は顔が下になるように寝かせて吐かせます。水を飲み込んだときに気管に水が入っていると肺炎になることもあるので、かならず動物病院へ連れて行きましょう。
- けいれん けいれん発作をおこす2大原因はてんかんと心臓病です。発作がおきてもあわてずに、触れたり押さえたりせずそっと見守りましょう。無意識状態なために噛まれたりすることがあります。また、周りの物にぶつかってケガをしないようにキケンなものはとり除きましょう。発作が続く時間は通常1〜2分でおさまります。発作がおさまってから病院へ連れて行きましょう。
- 意識がない 意識を失っている場合、犬の右側を下にして寝かせ、まず呼吸をしているかを確認します。呼吸をしていれば胸が動きます。鼻先にティッシュをあててみてもわかります。このとき胸にはさわらないように気をつけて、病院へ運びます。呼吸をしていない、もしくは呼吸できない呼吸困難な状況の場合、気道の確保が必要です。
緊急!犬の気道確保・人工呼吸・心臓マッサージのしかた
- 犬の気道確保のしかた
- 犬の右側を下にして横向きに寝かせて、首をのばして頭をすこし後ろにそらすようにし、口をあけ舌をひっぱりだします。口の中に異物があるときは、とり除きます。もし息をしていないようであれば、人工呼吸が必要です。
- 犬の人工呼吸のしかた
- 犬の口を閉じておさえたまま、犬の鼻をすっぽりかぶるように口をかぶせ、3秒に1回のリズムで4〜5回息をふきこみます。(あまり強く吹き込まないように注意)
- その後、息が吐きだされたのを確認してからまた息をふきこむようにし、自発的に呼吸が復活しないときにはこれを繰り返します
- 犬の心臓マッサージのしかた
- 手をあてて犬の胸の鼓動、太もものつけ根内側では脈拍を確認します。確認できない場合、心臓マッサージをします。
- 犬の胸側を前にしてひざまずき、犬のひじを胸側によせたときに肋骨にあたる部分に片手を置き、もう片方の手は肋骨の下において、約15s以下の犬は1〜2cm、約15s以上の犬には2〜7cm、胸を5回押します。
- 小型犬なら、片手で胸をつかむようにしてもできます。そして人工呼吸を1回おこなって、脈を確認します。脈がもどるまでこれらを繰り返します。
いずれもあくまでも緊急時の対処法であり、素人判断は愛犬の症状をかえって悪化させてしまうこともあります。応急処置ができないとわかったときはもちろん、処置ができたとしてもその後できるだけ早く動物病院の診察をかならずうけるようにしてください。
