犬に必要な栄養素「脂質」
「脂質」は体内への脂溶性ビタミン(A.D.E.K)の吸収をたすけ、
タンパク質や炭水化物の2倍以上のエネルギーを生みだすエネルギー源です。
また体温の保持やホルモンの生成、細胞膜・血液の主要構成成分で、
体の機能にかかせない役割をもっています。
しかし摂りすぎると内臓に負担をかけ、消化吸収の妨げになり下痢したり肥満の原因になります。欠乏すると被毛のツヤが悪くなったり皮膚の乾燥などのトラブルになったりするので、適量が大切です。
脂質は脂肪酸からできています。
その構造のちがいから飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸にわかれます。
飽和脂肪酸は肉や乳製品におおく含まれていて、体内でコレステロールをつくる材料になるので摂りすぎると肥満や動脈硬化、心臓病、糖尿病などの原因になったりします。
不飽和脂肪酸は青魚や植物性油におおくふくまれていて、
コレステロールを減らす働きがあり、必須脂肪酸を含んでいます。
必須脂肪酸とは
必須脂肪酸とは、体外から(通常は食事から)摂取する必要がある脂肪酸のことで、
犬の食事中にもかならず含まれていなければいけません。
一般的に不飽和脂肪酸のリノール酸、αーリノレン酸、アラドキン酸の3つが必須脂肪酸といわれます。犬はリノール酸からアラドキン酸、γーリノレン酸を合成できます。
不飽和脂肪酸は分子構造において、
炭素の二重結合がどこにあるかによっても分類されます(オメガ[n])
- リノール酸(オメガ6系[n-6])
- コレステロールや血圧をさげる作用があるが、ガンやアレルギー症状、免疫力低下などの症状の発生も
- αーリノレン酸(オメガ3系[n-3])
- ガン発生を抑制したり、血液の流れをよくする
- EPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)が豊富な魚もこの脂肪酸をふくむ
リノール酸のようなオメガ6系の脂肪酸とαーリノレン酸のようなオメガ3系の脂肪酸は、体内の作用を互いに抑制しあう関係であり、この比率が皮膚アレルギーや関節・腸・腎臓などの炎症性疾患などにとても重要なので、バランスを保った摂取が大切です。
ダイエット中は脂質をカットしてもいい?
手づくり食の場合、愛犬がダイエット中だと脂肪分をカットしたくなりがちですが、
だからといって脂肪分をまったくあたえないというのはよくありません。
脂質が不足すると、皮膚が乾燥してカサカサになってきます。
また、免疫力が低下して皮膚病や感染症になってしまうこともあります。
ダイエット中はコレステロールをへらす植物性油を使用したりするとよいでしょう。
手づくりごはんにおすすめの植物油
植物油(室温で液体なのが特徴です)
植物油は熱によわく、加熱することで脂肪の質が変化してしまいます。
あとで加えるようにして、できるだけ加熱しない状態であたえるほうがよいです。
また、古くなった油は老化やガンの引き金になることもありますから使用しないほうがよいです。
- ごま油
- クセのない白ごま油がおすすめ。白ごま油は良質の必須脂肪酸であるオメガ6リノール酸を45%と、オメガ9オレイン酸を40%とたっぷり含んでいます
- オリーブ油
- エキストラバージンオリブオイルがおすすめ。ポリフェノール、ビタミンEが豊富で抗酸化作用があります。不飽和脂肪酸のオレイン酸を多くふくみ、悪玉コレステロールの減少に有効とされています。
- グレープシードオイル
- ぶどうの種を搾ってできるオイルで、α-リノレン酸やリノール酸を多く含んでいます。ポリフェノールやビタミンEを含み、抗酸化作用があります。
- 亜麻仁油(あまにゆ 別名:フラックスシードオイル)
- αーリノレン酸が豊富でバランスがよい。体内で合成することができないオメガ3とオメガ6という必須脂肪酸の宝庫です。アレルギーあるこにおすすめ。
- ※油類をえらぶときには、できれば低温抽出されたもの、自然の栄養がたくさん残っている精製されてない油を選ぶとよいです。
- また、油は熱や光、酸素にさらされると酸化します。 耐光性のプラスチック容器または濃褐色や緑のガラス容器の油を選ぶとよいです。。
ドライフード中の脂質について注意することは、開封後かならず酸化していくということです。
酸化したフードを与えつづけると、食欲減退、発疹、下痢などの症状がでてきます。
ドライフードは開封後1ヶ月以内で愛犬が食べきれる量の袋を選ぶことが大切。
そして直射日光にあてない、温度や湿度の管理など保存の状態・場所には気を配り、酸化を防ぐために密封できる容器で保存しましょう。
無添加のフードやナチュラルなおやつは賞味期限が短く、保存の状態によってはすぐに傷んでしまいやすいです。開封後冷蔵保存が指定されていたりします。
とにかく開封後は、早めに使い切ることが大切です。

