海外では依然として、狂犬病の発生は続いています。
おとなりの中国でも狂犬病の発症件数が急増しており、かなり多くの人が狂犬病で死亡しています。それにより中国では狂犬病による人の被害を防ぐためとして、あらゆる犬が撲殺されるというニュースがたくさんあります。
'08.10中国雲南省では、狂犬病が相次ぎ犬1万匹が撲殺。'09.05黒龍江省では「殺犬令」が公布され、市内を犬禁止区域と指定し、犬は見つけ次第撲殺するという内容で、あらゆる犬が殺されました。'09.06北京で狂犬病対策として犬3万6000頭が処分されました。
日本では1957年以降、日本での発症例はありませんでしたが、2006年旅行先のフィリピンで野犬に咬まれた男性が、日本に帰宅後狂犬病を発症し死亡。2020年にもフィリピンでや野犬に咬まれた男性が帰国後発症し死亡しています。狂犬病は、いまでも海外では発生し続けているということ、海外からもちこまれる危険性を認識せざるを得ません。狂犬病は、通常、ヒトからヒトへ感染することはなく、感染した患者から感染が拡大することはないようです。
海外へ旅行される方、とくに狂犬病の発生がないとされる指定地域以外へ行かれる方は特に気をつけてください。指定地域について/動物検疫所
海外では、日本と同じ感覚で犬やネコなどをはじめとする動物を見つけた際に、かわいさから撫でてあげたいとむやみに近づいたり、触らないようにしなければいけません。忘れていけないのは、狂犬病はイヌだけに発症する病気ではないということです。
咬まれなくても手に傷があったりした場合、舐められただけで感染する可能性があります。旅行前に、行き先でかかる恐れのある伝染病に対しての予防ワクチン接種をしていくと安心です。
また日本のペットブームによりさまざまな種のペットの輸入は増加しており、農林水産省では狂犬病の侵入防止に万全を期すため、イヌだけでなく、ネコ、きつね、あらいぐま、スカンク等を含む動物の輸入検疫は見直され、厳しくなっています。
同様に海外へ長期滞在などで、ペットを一緒に連れて行く場合、また連れて帰ってくる際には、手続きや検査など厳しく行われますので、事前に確認しておくことをおすすめします。
参考サイト
農林水産省動物検疫所ホームページ
ペットの輸出入について
狂犬病/厚生労働省