犬の感染症とは
犬の感染症は、細菌やウイルスが体内に入ることによって引きおこされるもので、なかには命にかかわる危険なものも少なくありません。
感染症によって症状も感染経路もさまざまで、他の感染症との混合感染や二次感染を起こし重症になることもあります。また、その中には人にも伝染する人畜共通感染症もあります。
定期的なワクチン接種をして、予防できる病気は予防しておきましょう。
おもな感染経路
- 直接感染
- じゃれあったり、けんかしたりなど、感染犬と直接ふれることで病原菌がうつります。
- 間接感染
- 感染犬が使った食器やシーツなど、他の犬がふれることでうつります。
- 感染犬の糞尿などから感染
- 散歩時などに、感染犬が排泄した糞尿などを、他の犬が嗅いだりしたときにうつります。
いろいろな人や犬などがあつまる公園などの場所はとくに感染の確率が高くなります。
また、ネズミが媒介する感染症(犬レプストピラ病)もあるのでネズミがいる、いそうな場所や地域では気をつけましょう。
いつもお世話になっている動物病院の獣医師さんに、愛犬に何種のワクチンをうけさせるかワクチンの相談をしたときに、大きな公園とかよく行きますか?と聞かれました。
なぜなら、とある公園によくつれていっていたわんこがネズミが媒介する感染症にかかり親子で亡くなったと聞きました。
とある公園とは、気候のよいときによく愛犬を連れて行くわたしもお気に入りの大きな公園で、山を切りひらいてつくられており、子供が楽しめる遊具や広場、川や池、噴水があり、いちめん芝生でおおわれた自然ゆたかな人気の比較的あたらしい公園です。
不衛生な印象はありませんでしたし、とくに気にしてはいなかったので、実際にそういう話を聞いてとてもこわくなりました。
ワクチンで予防できる感染症
ワクチン接種で予防できる感染症はできるだけ予防してあげましょう。
- 犬ジステンパー
- 犬ジステンパーウイルスの空気感染により発病し、とてもうつりやすく致死率が高い犬の代表的な病気。子犬に発症することがとても多い。
- 感染犬のくしゃみの飛沫を吸いこんだり、感染犬の鼻水や目やに、唾液、排泄物などに直接ふれたり、においを嗅いだりすることで感染します。
- 感染すると発熱し、食欲もなくなり、膿性の目ヤニや鼻汁がでます。(初期)
- 体の免疫をつかさどる白血球が破壊されて、免疫力が低下して呼吸器系や消化器系に広がり、激しいせきや下痢をおこし脱水症状がおきます。神経や脳がおかされたりして、腰がたたなくなるなどのひどい麻痺やけいれん発作などをおこし、通常、感染後1ヶ月半ほどで衰弱して死亡することが多くあります。
- ワクチンで予防できます。
- 犬コロナウイルス病
- 犬コロナウイルスによる伝染病で犬コロナウイルス性腸炎のことで、感染すると小腸でウイルスが増殖して腸炎をおこします。
- パルボウイルスと混合感染することが多く、重症化して死亡するリスクが高い病気です。犬コロナウイルスに感染した犬の便や尿、おう吐物などに接触することで感染します。
- 症状は元気がない、食欲がおちる、下痢、おう吐など。軽い胃腸炎の症状のあと多くは回復しますが、重症化すると下痢は軟便から水様便、さらに血便へと移行していきます。子犬はおう吐と水様性下痢をひきおこします。幼犬は重症化しやすく急激に衰弱し、死亡のリスクもあります。効果的な薬はないため安静にして体力回復をまちます。ワクチンで予防できます
- 犬伝染性肝炎(アデノウイルス1型感染症)
- 犬アデノウイルス1型の感染により発症します。(犬アデノウイルスには1型と2型の2種類があります。)とくに幼齢期に発症し、突然死の原因となるこわい病気です。(かかって一晩で死亡する場合があります。)
- 感染犬のくしゃみの飛沫を吸いこんだり、感染犬の鼻水や目やにや唾液、排泄物などに直接ふれたり、においを嗅いだりして吸い込むことで感染します。感染すると発熱、元気がなくなる、食欲がなくなる、腹痛、下痢、嘔吐、扁桃腺が腫れたり、目の角膜が白くにごったりするなどの症状が現れます。ワクチンで予防できます。
- 犬伝染性咽頭気管支炎(アデノウイルス2型感染症)
- 犬アデノウイルス2型の感染により発症します。(犬アデノウイルスには1型と2型の2種類があります。)この病気単独では死亡率は高くありませんが、他のウイルスとの合併症をおこすことで、症状がおもくなり死亡率も高くなる、咳をおもな症状とする呼吸器系の伝染病です。
- 感染犬の排泄物に直接ふれたり、においを嗅いだりして吸い込むことで経口・経鼻感染します。感染すると咳、くしゃみ、鼻水など気管支炎の症状が見られ、ひどくなると肺炎をひきおこす。ワクチンで予防できます。
- 犬パルボウイルス感染症
- 「犬のコロリ病」といわれていたこともある、非常に感染力がつよく、死亡率の高いこわい病気です。子犬が突然死する「心筋型」と、下痢や血便、おう吐をくりかえす「腸炎型」があります。
- 犬パルボウイルスは、チリやほこりに混じって長期間生存する、たいへん抵抗力の強いウイルスで、通常の消毒液では効果があまり現れません。感染犬の排泄物に直接ふれたり、においを嗅いだりして吸い込むことで経口・経鼻感染します。ウイルスの抵抗力がひじょうに強く、汚染された土壌などに感染力をもったまま1年以上も生息するといわれています。
- 感染すると、「腸炎型」は激しいおう吐と下痢で、重症になると悪臭のともなう血便で脱水症状をおこし、ショック状態になることも。「心筋型」はとつぜん症状がでて、悲鳴をあげたりして短時間で呼吸困難をおこし、死亡します。
- 治療は、他の犬だけでなく他の飼い主と接触しないように隔離し治療します。発見がはやく適切な処置ができれば一週間ほどで回復にむかうこともあるが、完治するまでには1ヶ月ほどかかります。いまのところ特効薬がないため、点滴や酸素吸入などで脱水やショック状態の回復につとめます。
- 万一愛犬が感染した場合、犬舎やトイレ、排泄物・おう吐物で汚染されているとおもわれるものはもちろんのこと、犬がふれたものすべてを完全消毒しなくてはなりません。煮沸消毒するか、塩素系ハイターを30倍にうすめて使っても効果があります。ワクチンで予防できます。
- 犬パラインフルエンザ感染症
- この病気単独ではそれほど死亡率は高くありませんが、他のウイルスや細菌などの病原体と混合感染することで症状が重くなる病気です。「ケンネルコフ」とよばれるのがこの病気で、とくに子犬にかかる代表的な呼吸器系の病気です。
- 子犬が集団で飼われている場合、他のいろいろな病原体と混合して発症することが多く、非常につよい感染力があります。パラインフルエンザウイルス、アデノウイルスや細菌に感染した犬のくしゃみの飛沫をすいこんだりすることで経口・経鼻感染します。寒い時期に多い。
- カッカッと短いかわいた咳をします。激しい咳、鼻水などの呼吸器症状(風邪の症状)で、症状がおさまったように見えても、また現れるのが特徴で寒い時期に多い。ワクチンで予防できます。わがやのチョコさんもかかりました。
- 犬レプストピラ病
- レプストピラ菌が原因の伝染病で、ネズミが媒介します。つまり、ネズミがいるところではこの病気が発症する可能性があります。
- また人畜共通伝染病のひとつで人にうつる可能性があります。ネズミによる媒介。レプストピラ菌に汚染された尿が排泄された川水、下水などの環境で、なめたり水をのんだりすることで経口感染、直接ふれたりすることにより経皮感染します。症状には2つのタイプがあります。
- 出血黄疸型は黄疸、おう吐、発熱、歯茎からの出血など。カニコーラ型は下痢、おう吐、発熱、脱水症状など。どちらのタイプとも、症状がすすむと尿毒症になり数日で死亡することがあります。
- 万一、愛犬がかかってしまったら、食器などの消毒をしたり、糞便に直接さわらないように手袋を着用して処理するなど注意が必要です。ワクチンで予防できます。
